家族の中にも「好きな人」と「そうでもない人」を見分けてしまうチワワ

家の中にリーダーはひとりというのは、当たり前のことですが、どうしても「お父さん」じゃないとダメなチワワが居ます。その家庭は核家族ですが、ご夫婦で、チワワを大切になさっているのに、なぜか、そのチワワはお父さんでないと、病院もお留守番もできない、少し困った女の子なのです。

 

■ お母さんとは微妙な距離感

普段はずっと喫茶店を営むお父さんと一緒に出勤をして、職場で過ごすチワワが、たまにお母さんと自宅で留守番をするタイミングがあったそうです。そのときに、困ったことに、ご飯も食べない、そして玄関から離れないという仕草を見せて、お母さんは結局、何もできず、その女の子チワワはお母さんの傍にも来ないという様子で、すっかりとお互いの中に微妙な距離が芽生えてしまったそうです。

普段はすべてのことを、お父さんがお世話をしている関係上、そのような距離感があるのだと、直接聞きましたがなんとも、変わった状況なのだと、話されていました。

 

■ 心を開かないチワワ

お父さんに聞くと、どうやらその子は「人が嫌い」「犬も嫌い」なタイプの性格をしているようで、世界がとても狭いということでした。それ以上の冒険や、しつけ教室などで心の幅を広げてあげるような訓練?という発想はないということで、あくまでもありのまま、育てているというお話でした。その考えに対して、何も言葉をかけることはできませんが、あえて言うなら肯定をすることしかできませんでした。

広い意味で考えてみると、この世の中でごく限られた人だけを信じて毎日を過ごすことが、そのチワワの幸せの形なのだと思うからです。それはきっと、ベストな選択なのだと感じました。家庭ごとの考え方があっても良いことは理解できました。

 

■ 個性があって当然

家族で出かけることもほとんどなく、お母さんはそのチワワとのお出かけに自信がないと言いました。一緒にいるだけでも、互いに緊張をするわけですので、そこからの発展はお互いに難しいのかもしれません。

一概に、チワワに必要なのはどんな環境で、どんな子に育てるべきという指南書などは存在しません。それが当然の形でもあるのです。ですので、いろんな家庭の考え方があると捉えるしかないのかと感じた出来事でした。

 

■ 誰のせいでもない

チワワにも十分に個性があります。みんなが同じようにフレンドリーではなく、心を閉ざしてチワワも居るのです。明るく接しても、しっぽを巻いてがたがたと震えるきっかけにもなるのです。攻撃性もなく、優しい心を本当は持っているのでしょうが、こちらにそれが伝わってこないことが正直なところ残念に感じました。

犬は今を生きるものです。そのチワワにとっては今がすべてで、お父さんとの時間が至福なのでしょうね。ひとそれぞれです。預かった命をその家庭の方針で育めば良いのです。違って当たり前と感じたほうが楽な場合もあるのです。家庭にも個性があるからです。

 

■幸せの形は色々

言葉を持たないチワワの中には、目に見えない幸福感や楽しみがきっとそれぞれにあるのだと思うのです。個性の伸ばし方も、伸ばさない方法も、飼い主さん次第です。このままで良いと感じた瞬間に、その子の可能性はそこまでです。でもそれが幸せならばそれで良いと思います。仲間よりもお父さん、おもちゃよりもお父さん、という世界観で生きているチワワのお話でした。人一倍お父さんに愛されて、お父さんを愛しているチワワの瞳は、本当に澄み切っています。そこに親愛の情が溢れているからなのだと思います。これも一つの形なのですね。

答えなどは永遠に出ないものだと思いました。その子の幸せあその子が感じている分でおそらく、満タンなはずです。

 

コメントを残す